理事長基本方針

President Basic Policy

一般社団法人苫小牧青年会議所 第71代理事長 玉川 健吾
<はじめに>

より良くありたいと願い、行動を起こそう。
行動することで、素晴らしい出会いがある。
その出会いは、あなたの未来を必ずより良くする。
そんな未来のあなたは、地域の希望となる。
「より良くありたい」私は、そう願い行動しています。その中で、失敗も多くあり常に正しいことでもありません。しかし、どんな困難な状況であっても、仮に良い状態であっても、より良くありたいと願い行動しています。
未来に悲観するのではなく、心躍る未来を描き、変化を恐れず、信じる未来に向け行動を起こそう。私たちの未来は誰の手でもなく私たちの行動にかかっている。描くことができる未来は必ず実現できる。一人では成しえなくとも、私たちには志同じくする仲間がいる。私たちならきっとできる。一緒により良い未来を作ろう。
そして、夢を描き行動するあなたは地域の希望となる。

【私とJC】

私は、2012年にUターンして翌年に苫小牧青年会議所に入会しました。当時の私は、前職で染みついた職務柄なのか、物事を機械的に、計算的に動く人間でした。そして、うまくいかないことがあったら、上役、委員長のせいにする、本当に相手の事を慮ることができない人間でした。
副委員長を務めた際のことです。委員長とは特段友人関係が深い方ではありませんでしたが、割と出席率が良い若手ということでお声がけをいただきました。委員長は、LOMにおいてスタッフ経験もなく、議案構築や委員会運営において、苦戦していたこともあり、委員会メンバーの時間を多大に消費していました。私は、寄り添って話を聞くのではなく、「効率が悪い、委員長なのだから責任感も持ってほしい、一緒にJCなんてやっていられない」等、自分が言われたら嫌と感じることを言葉に出してしまっていました。委員長は大変苦労していたものの、一生懸命取り組んでいました。そんな相手に対して、暴言を吐いていたのです。紆余曲折はありながらも、そんな私の発言にも耳を傾けて1年間を全うされました。当時の私は、自分だけの物差しで相手を評価して、相手を追い詰めていたのです。
そんな私も、LOMで委員長を務めることになり、逆の立場に立つことで気づきをいただきました。私の委員会メンバーは、「委員長と委員会賞を取りたい」と自主的に各々大変奮起してくれました。私のわがままにも、一度の文句を言わずに必死に取り組み、利他の精神を体現してくれたのです。そこで、委員会メンバーへの感謝はもとより、過去の自分の過ちに気づかされました。自分は心ある委員会メンバーに支えてもらったが、過去の自分はどうだったか、自分の物差しで、相手を攻撃していなかったか、その時相手はどんな気持ちだったか、利他の精神があったのか、自身の委員会メンバーの愛の行動で気づくことができたのです。さらに、私がそんな態度をとっていたにもかかわらず、私のお仕えした委員長は最後まで愛をもって接してくれ、私の委員会サポートはもとより、今も私のJC活動を応援してくれています。また、そんな深い関わり合いがなくとも、私の成長を願って大切な時間を使い、無条件に応援してくれている先輩がいます。そんな、多くの方々の利他の精神、愛のもとに自分のJC活動ができていることを心に深く留めたい。
誰がために尽くす志を立て、公に尽くしてまいります。

【JCとは】

私は、青年会議所の可能性を信じています。こんな私でも変わることができたのです。損得勘定なく、無条件で他を想い行動する青年を輩出する団体、こんな団体は他にはありません。なぜできるのか、JCIMISSIONにある通り、「青年が社会により良い変化をもたらす力を与えるための発展と成長の機会を提供する」これこそが青年会議所の使命であり、社会をより良くする運動を通して、誰がために行動する心を育んでいるのです。成長した我々青年は、地域をより良くする運動を行い、人と地域を変えていく。そして、成長を遂げた青年は卒業後も地域を牽引する人財であり続けます。そんな尊い青年会議所を次世代により良い形で紡ぎたいと考えています。

【なぜ成長が必要か、成長とは】

私たちは青年経済人であり、会社においては自社を発展させる、家庭においては家族を守る使命があります。そして、社会環境は時代の移り変わりにより大きく変化していきます。その変化に対応するために私たちは成長する必要があります。経済的発展による利益の追求は必要ですが、そればかりを追い求めてしまうと社会に悪影響をもたらし、ひいては、自社の発展の妨げに繋がることは歴史が査証しています。地域の未来を担う我々青年経済人は、経済の発展と共に社会の発展も牽引しなければなりません。実際に、社会に目を向けると、環境、社会、企業統治に配慮している企業が社会から支持されており、社会課題に取り組む企業は持続可能性が高く長期にわたって成長が期待されています。社会をより良く変え、経済を良くしていくという逆転の発想が必要なのです。より良い豊かな人生を送るために成 長が必要なのです。
青年会議所における成長とは、単なるスキルアップのことを意味していません。入会して、ITスキルが身についた等の成長もありますが、それだけでは、まちをより良くすることはもとより、自身の成長や自社の発展にも結び付きません。
成長の定義は、誰がために行動する利他の精神と人の心を動かす行動です。言い換えると、人、地域に奉仕し、社会活動ができるようになることです。利他の精神を学び、共に行動し、地域に奉仕を行う。だからこそ、地域からの信頼があり、会員間の結びつきが強くなるのです。自分勝手な人には到底できません。
最初は自分のため、身近な人のため等、様々な動機で活動することは大いに結構です。夢や願い、過去や他社との比較、様々な動機があるでしょう。しかし、JC活動を真剣に行う中で、多くの出会いと学びの機会によって、少しずつ価値観が変わっていきます。誰かのために、まちをより良くしたいと社会的使命の志が芽生えていきます。それがJCにおける大きな成長です。そんな志あるあなたは、利他の精神で人の心を動かせる行動ができるようになります。その先に、自社の発展や家庭においても好影響をもたらすことできるようになると信じています。

【我々の成すべきこと】

「真に豊かな生活の実現は、個人の集合である地域が一体となって、願い運動していかなければなりません。」いつの時代も、価値観を共有して相集い力を合わせ行動し、変革を牽引してきたのは我々青年世代です。変化する時代の中でも、時代に即して変わり続けてきたからこそ、青年会議所が今も存続しているものと考えています。だからこそ、原点に立ち返り価値観を共有し、まちのあるべき姿を描き、今何をすべきかバックキャスティング思考から運動を起こそう。過去が未来を決定づけるのではなく、どのような未来を描き行動するのかが重要であり、そうすることで今の運動や過去が意味を持つものだと考えています。 まちの発展と会員企業の成長、地域の人々の暮らしがより良くなる政策を掲げて運動することで地域や企業からの信頼獲得となり、青年会議所の更なる発展に結びつくと信じています。

【共感を生む活力溢れる組織づくり】

私は、メンバーの皆さんが青年会議所を愛し、活発に地域のために活動する集団であってほしいと願っています。
組織運営において、メンバーが杞憂なく活動できる環境を整えることは、我々が生み出す運動に力を与えるものです。円滑な運営を行うことで、より良い運動を生み出す議論を創出したいと考えています。また、LOM一丸となって活動するために、メンバーの活躍を隅々から拾い上げ共有し、目標に向かって切磋琢磨し、誰がための精神を育んでほしいと考えています。さらに、渉外として、他LOMとの交流を図ることや、出向者への支援を行う中で、違いに触れる機会を創出し、新たな考えや仕組みを学ぶことで、LOMの成長につなげたいと考えています。
また、長年にわたり社会の課題を解決し、地域をより良くする運動を行っている団体であるにもかかわらず、青年会議所を知らない市民が多くいることは大変残念でなりませんし、メンバーの皆さんには、自分たちの活動、運動に誇りをもってほしいと考えています。私は、メンバーの皆さんが多大な労力を費やし、使命感をもって活動する青年会議所の価値を高めたいと考えています。広報の発信方法については、近年のIT化の進展により多様な手段が生まれ確立されてきました。大切なのは、私たちが青年会議所の魅力を共通言語として理解し、誰に何を伝えるべきかであります。見る人の感情を揺さぶる魅力をしっかりと伝播し、共感される組織を創っていきたいと考えています。

【子どもを核としたまちづくり】

私は、この苫小牧が活気に満ちていて、笑顔溢れる地域となり、誰もが希望を持てるまちであってほしいと願っています。
苫小牧市は、大企業の進出により緩やかに続いていた人口増加も2013年の174,469人をピークに減少に転じています。さらに2020年より減少が1,000人台で推移し、急激な少子高齢化を迎える可能性が高まってきています。今後財政はもとより、行政サービスの悪化が予想される未来となります。また、それに伴い地場の事業者の事業縮小や廃業も余儀なくされる危機感がでてきています。10年後20年後の未来を描いてください。「私たちが住み暮らす苫小牧は、人口増加する市民で活気づき、産業の充実が図られ、幸福が満ち溢れている。」そんな幸せの好循環を描き行動していきたいと考えています。人口減少、IRの頓挫、新型コロナウイルスの影響やウクライナ危機による経済のダメージ、閉塞感漂う地域に希望となる政策を打ち出していきたい、すべての子どもをまちのみんなで本気で応援する、まちのみんなが幸せになる政策を推進したいと考えています。
兵庫県明石市は、そんな政策を打ち出し、9年連続の人口増、4年連続の出生数増を達成し、税収面でも財政の健全化も果たしており、2022年6月には子ども家庭庁創設にかかわる国会参考人招致において政府に明石市の政策を具申しています。2023年4月には子ども家庭庁の新設も決定したことから、今まさに機運が高まっています。
青年会議所から幸せの好循環を描き、地域の希望を生みだしたいと考えています。

【誰もがまちづくりの主役】

私は、市民が自ら望む地域を想い描き、当事者意識を持って市政に参画する自由で活気溢れる地域であってほしいと願っています。
地域はそこに住まう人の集合体であり、人々が願う地域の未来があるはずです。現代では民主主義のシステムにより市民の代弁者である政治家を通して、運営する市政に願う地域に必要なことを訴えかけます。しかしながら、苫小牧市議会議員選挙の投票率は右肩下がりで2019年度の統一地方選挙においては、過去最低の46.3%まで下落しています。特に若年層及び我々責任世代の投票率は、27.4%と4人に3人は住まう地域の未来を考えていない現状です。地域に住まう人の意識以上に地域は良くならないにもかかわらず、地域に対する意識が低いままでは、誰もが希望をもって暮らせるまち、明るい豊かな社会に近づくことはできません。市民がまちづくりに主体的に関わる社会参画の仕組みづくりの政策を推進したいと考えています。
山形県遊佐町は、早くから市民が政治参画するまちづくりの仕組みを取り入れ、前回の統一地方選挙においては、投票率は63.63%と大変高い水準であり、2021年10月の衆議院選挙では、18歳投票率が63.53%と苫小牧の若年層と比較すると大きな差があります。2023年度は統一地方選挙もあることから、市民意識向上の絶好の機会と捉え、まちづくりに対する市民の当事者意識を芽生えさせる仕組みづくりを青年会議所から発信したいと考えています。

【拡大する成長の機会】

私は、いつの時代も青年会議所が青年に発展と成長の機会を与える団体、地域で活躍し続ける青年経済人を輩出する組織であり続けてほしいと願っています。
日本青年会議所の会員数は、1993年の67,309人をピークに減少傾向が続いています。これは、苫小牧青年会議所においても同様で1986年の170人をピークに減少に歯止めがかかりません。人口減少、廃業、地域の衰等、様々な原因があるものの、青年会議所が輩出する人財が地域で光り輝く事実は変わりません。より良い地域を作り出すには、志同じくする会員の増加は必要不可欠です。そして、その芽を多く種まきし、次世代に残していかなければなりません。青年会議所の本質を理解し、魅力をしっかりと他者に伝えていく事が必要です。青年会議所に入会することが最大の市民意識変革運動であることを再認識し、会員数100名を目指し運動を行いたいと考えています。
また、苫小牧青年会議所は、新入会員の研修を目的としたアカデミー塾が設置されてきた歴史があります。しかしながら、年度によって方針、運営面が異なる等の課題もあります。重要なことは、変わらぬ理念とあるべき姿を伝えることであり、計画的に教育していく事が可能であると考えています。日本青年会議所本会や北海道ブロック協議会と連携して教育の機会を確保するとともに、この地域には我々が学ぶべき素晴らしい先輩諸兄にも協力を仰ぎ、多様な成長の機会を提供していきたいと考えています。
拡大から教育まで一貫して行うことで、青年会議所の理念、JAYCEEとしてあるべき姿を伝え、地域の希望となる種を育くみたいと考えています。

【心通うかけがえのない繋がり】

私は、いつの時代も先輩諸氏と現役が心通う、かけがえのない繋がりが生まれる青年会議所であってほしいと願っています。
私たちが青年会議所運動をできているのは、先輩諸氏が70年にもわたって行政や関係諸団体と手を取り合い、脈々と運動を続けてこられたからです。その結果、地域から信頼を賜り様々な場面で青年会議所の地位を獲得してきたのです。私たちは、この巨人の肩に乗って運動できていることに深く感謝し、青年会議所を進化させ次世代に引き継いでいく責務があります。また、青年会議所は様々な場面でメンバー間の交流が図られる機会があり、その機会を有意義なものとすることで、かけがえのない繋がりが生まれます。交流の原点を振り返り、心を通わせ深い絆が育まれる交流を図り、いつの時代も地域や先輩諸氏から期待される青年会議所を創っていきたいと考えています。

【感謝と希望を伝播する】

私は、いつまでも青年会議所が地域からの希望となる組織であってほしいと願っています。
苫小牧青年会議所は、2023年に創立70周年を迎えます。これもひとえに多くの先輩諸氏が地域を想い率先して行動を起こし、明るい豊かな社会を目指し運動を続けてこられた賜物です。そして、積み重ねられた歴史と伝統を創り地域からの信頼を獲得し私たちの活動、運動の礎となっています。我々は長期ビジョンである明るい豊かな社会を標榜し、10年を目途とした中期ビジョンを指針に置き、短期ビジョンである単年度の理事長所信を基に活動、運動を行っています。今の私たちの運動の指針は創立60周年の際に2023年の苫小牧を見据えて制定された未来への宣言です。宣言の内容は、市民主導、連携、夢や希望が持てる苫小牧の創造を掲げ、様々な事業において市民を巻き込み運動を行うことを目指しました。私たちは過去を学び、今後の苫小牧のありたき姿を描き、行政や関係諸団体と共にそのビジョンに向かって運動をすることで、より一層実働する中期ビジョンになると信じています。この繰り返しこそが新たな会の歴史と伝統を創り、地域からの信頼と付託を得ることにつながり、地域がより良く変化することにつながります。
そして、我々青年世代が率先して地域の活力の源を行うことが、いつの時代もその中心に青年会議所が存在することにつながっていると考えています。市民との最大の交流の場であり、おまつりを通して生まれる結束は、1年間運動を行う上で必要不可欠なものです。また、多くの市民の笑顔を創出することで、地域のために行動する尊さを再確認し、市民にも伝播することで、運動の推進力が向上することと考えています。

おわりに
God grant me the serenity to accept the things I cannot change,
The courage to change the things I can; and the wisdom to know the difference.
~アメリカの哲学者ラインハルト・ニーバー~
<情熱>
「変えてはならないものを受け入れる、心の情熱を我に与えたまえ」
<勇気>
「変えるべきものを変える、チャレンジする勇気を我に与えたまえ」
<英知>
「変えていくものと残すもの、その2つを見分ける英知を我に与えたまえ」
青年会議所の最上位の目的は、青年により良い変化をもたらす力を与えるために発展と成長の機会を提供することです。常にその目的に立ち返り思考を巡らせていきたい。愚直にまちづくりに向き合い実践することでひとづくりにつながると信じています。
私たちは利他の精神を前提とした行動を率先して起こし、LOMにおける愛を拡げ、地域に対する運動を活発にすることで、幸せを生み出し続けることができる団体であり続けます。
精神性を継承し次代に伝え、変えるべきものは時代に合わせて変えよう。変化を恐れず、英知と勇気と情熱をもって行動しよう。
あなたの行動が心躍る苫小牧、青年会議所の未来を創ります。


苫小牧青年会議所フェイスブック 苫小牧青年会議所インスタグラム
お問い合わせや入会お申し込みの方は、
お電話または、フォームよりご連絡ください。

0144-34-3627